・好きな音楽を聴くのはささやかな楽しみ
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THE GEORGE WALLINGTON QUINTET / JAZZ FOR THE CARRIAGE TRADE
 

発達した低気圧の影響で“春の嵐”から一夜明け、今日は朝から爽やかな晴天です。
しかし、昨日の強風はすごかったですね。
私も夕刻外出しましたが、手にしたビニール傘がいまにも壊れそうな風でした。夜のニュース映像では壊れた傘が吹き飛んでいる場面を映し出して、風の強さを強調しているようでした。

このコンボのリーダーが傘を持ってポーズをとるジャケ写はとても優雅な雰囲気で、このアルバムの中身をよく表しているように思えます。アルバムタイトルの「THE CARRIAGE TRADE」とは「上等の顧客」という意味で、かつて自家用馬車で乗りつけたことが語源になっているようです。
熱気あふれる黒人ハードバップとは少し違う洗練されたジャズの味わいです。

白人ピアニスト、ジョージ・ウォーリントン率いる名門コンボの有名なスタジオ作品です(56年1月録音)。
アルトサックス奏者がジャッキー・マクリーンからフィル・ウッズへ、そしてベース奏者がポール・チェンバースからテディ・コティックへと交替していますが、フィル・ウッズが参加したためでしょうか、サウンドはスッキリしたものになっています。このあたりの味がこのコンボの魅力でしょうか。
ポール・チェンバースが抜けた影響で、少しグルーヴ感は薄まった印象ですが、フィル・ウッズのオリジナル「TOGETHER WE WAIL」では熱のこもった演奏が展開されます。
この頃のウッズのアルトサックスは好きです。


A-1 OUR DELIGHT
A-2 OUR LOVE IS HERE TO STAY
A-3 FOSTER DULLES
B-1 TOGETHER WE WAIL
B-2 WHAT'S NEW
B-3 BUT GEORGE

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CLIFFORD BROWN / MEMORIAL ALBUM
 

クリフォード・ブラウンがBLUE NOTEに残した初期の名演集。
このアルバムは彼の死後発売されたから「MEMORIAL」なんですね。既発の10インチ盤2枚を12インチ化したものですが、その際2曲カットされています。カットされた曲が聴けないのは残念ですが、ブラウニー初期の名演奏を楽しめるアルバムです。

A面とB面でセッションが違いますが、どちらも53年の録音で、A面が8月に行われたブラウニーの初リーダー・セッション、そしてB面は6月のルー・ドナルドソン名義のセッションという構成です。
どちらもブラウニーの演奏は素晴らしいものですが、全体の出来は8月のセッションのほうが断然良く、12インチ化にあたってA面に配したのも頷けます。とくにジジ・グライス(as,fl)がここで行った洗練された3管のアレンジは出色もので、湧き出る泉のごとくブリリアントなソロを展開する「CHEROKEE」や歌心あふれる「EASY LIVING」など、ブラウニーのプレイにスポットを当てた曲がとにかく素晴らしいです。

12インチ化の際に漏れた2曲に別テイク等を収録した『MORE MEMORABLE TRACKS』が84年に東芝EMIから発売されています(BNJ-61001)。ジャケットデザインも同じで間違えそうですが、中身は別物です。コレクターでなければ必要ないかな、と思いつつも購入してしまったのはやはりブラウニーだからこそでしょうね。
8月のセッションで12インチ化の際洩れた「BROWNIE EYES」がやはり魅力的ですが、いまではすべて1枚にまとめられたCDで楽しめるようになっています。


A-1 HYMN OF THE ORIENT
A-2 EASY LIVING
A-3 MINOR MOOD
A-4 CHEROKEE
A-5 WAIL BAIT
B-1 BROWNIE SPEAKS
B-2 DE-DAH
B-3 COOKIN'
B-4 YOU GO TO MY HEAD
B-5 CARVING THE ROCK

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SONNY ROLLINS / A NIGHT AT THE VILLAGE VANGUARD
 

この手持ち盤はキングの重量盤です。
こだわりの復刻で音質も国内再発盤では最高との評判で、私自身もいままで聴いた国内盤ではいちばん図太い音がするという感想を持っています。
この名作ライヴはやはり深みのあるアナログレコードで楽しみたいものです。初期のCDの音は少し薄っぺらな印象でした。

ジャズ・クラブでのライヴということもあって、ロリンズの豪放なプレイ、地を這うようなウイルバー・ウエアの図太いベース、そして柔軟なポリリズムを刻むエルヴィン・ジョーンズのドラムスが一体となったグルーヴ感には圧倒されます。オン・マイク気味の録音もあって最初は少しドラムスの音(シンバル)が喧しく感じたものですが、いまではこの臨場感があってこその快感すら感じる気持ちよさです。
ロリンズのインプロヴァイザーぶりが遺憾なく発揮された作品といえるでしょう。
熱演のあとクールダウンするような「I CAN'T GET STARTED」も格別です。

ピアノレス・トリオのロリンズといえば同じ57年のCONTEMPORARY盤『WAY OUT WEST』のほうを先に聴いていたので、このライヴ盤を初めて聴いたときはちょっと馴染めませんでした。
『WAY OUT WEST』はロスのスタジオ録音で、この時期のロリンズの豪快な音色で緊張とくつろぎを混在させた“ロリンズ節”がピアノレス編成で際立ったものですが、このBLUE NOTE盤は自己のアドリブの限界に挑戦するロリンズのイメージが強いですね。

同じ編成であってもこんなに表情が変わっちゃうんだなぁ、というロリンズの名盤です。


A-1 OLD DEVIL MOON
A-2 SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
A-3 STRIVER'S ROW
B-1 SONNYMOON FOR TWO
B-2 A NIGHT IN TUNISIA
B-3 I CAN'T GET STARTED

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THELONIOUS MONK QUINTETS
 

強烈な個性をもったオリジナル曲をそれに劣らず個性的に演奏するセロニアス・モンクは、どんな編成で演奏してもモンク。ソロピアノであろうとコンボ編成であろうと見事に独自の世界がそこには現出されますね。
ですからモンクを聴く基本はオリジナル曲にありだと思うのですが、このアルバムで演奏している唯一のスタンダード曲「SMOKE GETS IN YOUR EYES(煙が目にしみる)」の味わい深さは格別なものです。58年にプラターズがリバイバルヒットさせて有名になったジェローム・カーンのペンによるこの名曲を、モンクは美しいテーマメロディをあまり崩すことなく弾き綴っていきます。ホーン奏者にはテーマのアンサンブルに終始させ、リズム隊も控えめで、彼のピアノが大きくフィーチャーされたこの曲にモンクのピアノプレイの魅力が凝縮されているように思えます。

ガイドブックを頼りにジャズのレコードを買い始めた頃、モンクの作品はやはりRIVERSIDE時代のものばかり手に入れ聴いていました。
あまり録音がよくないということ、そして作品の完成度からしてPRESTIGE時代のものは手が伸びにくく、聴くのは後回しといったスタンスでした。しかし冒頭で述べたようにどんな編成で演奏してもモンクです。多少音が悪くてもモンクの魅力は変わりようがありません。

A面収録の4曲はフランク・フォスター(ts)、レイ・コープランド(tp)をフロントに据えたクインテット編成によるセッション(54年5月)。
そしてB面の2曲は少し録音が古いけど、若きロリンズのプレイが聴けるセッション(53年11月)。こちらはエンジニアがヴァン・ゲルダーでないので、やや音質に難があります。

名演「煙が目にしみる」が収録されているものの、やはりこの頃のPRESTIGE盤にはこういった弱点があります。
手が伸びにくいのはしかたありません。


A-1 WE SEE
A-2 SMOKE GETS IN YOUR EYES
A-3 LOCOMOTIVE
A-4 HACKENSACK
B-1 LET'S CALL THIS
B-2 THINK OF ONE (take2)
B-3 THINK OF ONE (take1)

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THE MODERN JAZZ QUARTET / THE COMPLETE LAST CONCERT
 

MODERN JAZZ QUARTET(MJQ)が74年に解散したときはちょっとしたニュースでしたね。
リンカーンセンターのエイブリー・フィシャー・ホールで11月25に行われた解散コンサートを収録した2枚組LPも翌75年に発売され、その音の良さもあって評判になりました。私も中古で手に入れてよく聴いたものです。
格式あるコンサートの模様が伝わってくるようなジャケ写は開演前のものでしょうか。あるいは当夜のプログラムを終え、すべての楽器が静かに眠りについた頃を捉えたものでしょうか。
個人的にとても気に入っているジャケットです。

しばらくしてこのアルバムの続編である『THE LAST CONCERT SECOND』も発売されましたが、私はひたすら当初発売された2枚組LPを愛聴していました。
同じような内容のアルバムを手に入れるほどの金銭的な余裕はありませんでした。

この「完全版」CDは89年にリリースされた輸入盤で、たしか90年代中頃に手に入れた記憶があります。LPをとうに手放してCDで音楽を楽しんでいた当時、まだ未聴だった楽曲を含めて久しぶりに聴きたくなったのと、アルバムタイトルの「COMPLETE」に惹かれたわけです。
いまではリマスター盤が出ているようですが、このコンボの主楽器であるヴィブラフォンの響きを思うと、私はこの古いCDでもいいかなと思っています。

それにしても感動的なコンサートで、当夜のプログラムをもれなく収録した全22曲は聴き応え充分です。深夜灯りを落として聴いていると目の前にステージが広がり、ミルト・ジャクソンのヴィブラフォンのみならず、すべての楽器の音が部屋を包み込むような心地よさでとてもリラックスできる音楽です。
彼らの代表的なレパートリーが網羅された内容は文句のつけようがありませんし、どの曲もほどよい緊張感をともなって、MJQ「最後の演奏」に感動します。
その音楽性とは裏腹に意外とライヴ盤が楽しめるMJQですが、なかでも60年の『EUROPEAN CONCERT』とこの『LAST CONCERT』はライヴの双璧といえるでしょうね。


(DISC 1)

01 SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
02 THE CYLINDER
03 SUMMERTIME
04 REALLY TRUE BLUES
05 WHAT'S NEW?
06 BLUES IN A MINOR
07 CONFIRMATION
08 ROUND MIDNIGHT
09 NIGHT IN TUNISIA
10 TEARS FROM THE CHILDREN
11 BLUES IN H(B)
12 ENGLAND'S CAROL

(DISC 2)

01 THE GOLDEN STRIKER
02 ONE NEVER KNOWS
03 TRAV'LIN'
04 SKATING IN CENTRAL PARK
05 THE LEGENDARY PROFILE
06 CONCIERTO DE ARANJUEZ
07 THE JASMINE TREE
08 IN MERORIAM
09 DJANGO
10 BAG'S GROOVE

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